環境破壊と健康には、一見、何のつながりもないように見えるかも知れませんが、実はこの二つは切っても切れない関係にあります。
一番わかりやすく、一般的なものは、ペットボトルから水中に溶け出した、マイクロプラスチックかも知れません。マイクロプラスチックは、体内に取り込まれると、例えば、女性ホルモンに似た作用を発揮して、ホルモン系のバランスを崩したりします。
これらの環境ホルモンが体内に入り、生理や妊娠(男性も含めて)・出産・子供の成長などを始め、多岐にわたる影響を及ぼしていると言われています。
ホルモン治療を経験されたことのある方は、ご存知かも知れませんが、ホルモン剤というのは、ほんの少し体に入るだけで、かなり大きな効果があります。そんなホルモン剤と同じ、もしくは似た作用を有する物質が、大量に水に溶け出してしまっていて、水道をひねると出てくる水に、どのくらいの環境ホルモンが含まれているのか、計測されているわけではないというのが、今の現状です。
こういった、ホルモンに似た作用を持つ物質は、プラスチックだけではなく、人工化学物質を使ったお薬や、化粧品、日焼け止めなどに含まれていて、その多くは、女性ホルモンに似た作用を持つことがわかっています。これらの成分は、体内に吸収された後、排泄されたとしても、分解されていないことも多く、その作用を持つまま、土壌や水質の汚染につながっています。
水質汚染が進んだ今、小さな魚のオスが生まれなくなっていたり、動物の中では、雄の子供が生まれなくなっている種もあると言われています。
また、鎮痛剤のDiclofenac が高濃度で溶け出した水によって、自然界の魚が大量死したという報告もあります。これは、薬によって腎不全が生じたためとされています。浄水されているとはいえ、水中の薬品残骸物は、計測されていません。
この水を、例えば、小さな赤ちゃんが飲んだとして、安全と言えるでしょうか?
では、どうしたらよいのかというのが、一番大切なポイントになってきますが、まずは、出来る範囲で、人工化学物質を避けること。
なるべく、ビオの食品を取り入れる。
なるべく、人工化学物質で作られたお薬を避ける。
なるべく、日焼け止めに頼らない日焼け予防を心がける。
例えば、毎日の食器洗いに綿100%の食器洗い用の布 (Spültuch) を用いてみる。
可塑剤 (Weichmacher) が使われた商品と、使われていない商品が並んでいたら、なるべく使われていない方を選ぶ。(例えばスーパーで、簡単に形が変わる容器があれば、大抵の場合、可塑剤が使用されています。)
ガラスなどの蓋つき容器を使うことで、ラップの使用から卒業する。
など。
ほんの小さなことですが、出来ることはいくらでもあります。
そうやって、使われる量が減ることにより、購入される量が減り、生産される量も減ります。
ドイツにも、最初は大きなビオのスーパーなんて、ありませんでした。
小さなビオのお店で、普通のスーパーより価格帯の高い商品を、購入し続けた人たちがいたからこそ、生産者側が需要に気づき、今のように、いくつものビオ専門のスーパーが展開されるに至りました。彼らは、自分がそのお店で、その商品を買うことの意味と意義を、しっかりと理解していました。
こういったことを知り、少しでも環境と身体に優しい生活を実践する方が増えますように。